2015.7.27第7回 新刊のお知らせ
(響子)みなさ~ん!! 耳寄りなお知らせで~す。
うちの事務所の本間先生と宮川先生が書いた本が出ました~!
「事業をサポートする知的財産実務マニュアル」っていいます!
本間先生は特許調査とパテントマップによる解析の部分を担当しました。
宮川先生は知財活動計画と意匠の部分を担当しました。
他にも、実務経験が豊富な専門家の先生が参加してとても内容が充実しています。
この本は、新人知財部員の「是橋キョウコ」ちゃんの一年間を通じて、商品開発の課程で必要となる知財実務をわかりやすく解説したものとなっています。
キョウコって、私と名前が同じ~! しかも(私程じゃないけど)かわい~!
中身もマンガや図がいっぱいあって、知財初心者の私でも読みやすいです。
それでいて内容はかなり高度な(マニアックな?)内容になっていて、初心者から実務者までとっても役に立つと思いま~す。
本間センセ~、特許調査のところ、とってもいいですね。
宮川センセ~、意匠のパートもすっごくわかりやすいです。
皆さんも是非お手にとってその良さを実感して下さい。
このホームページのお問い合わせフォームから注文してもらえば1割引で提供いたしま~す。
送料は1冊当たり180円です。
よろしくね!
2015.7.27第6回 意匠調査その4
(響子)今回は意匠公報テキスト検索の使い方を宮川先生に教えていただきま~す。
前回はスマートフォンケースの意匠分類を調べるために意匠公報テキスト検索を利用するっということでしたね。
(宮川)まずは、物品名のキーワードを考えます。「スマートフォン」は、「携帯電話」や「携帯端末」と呼ばれることもあるわね。「スマートホン」なんて記載されているかもしれないわね。
それと、「ケース」の方は「カバー」と記載されているかもしれないわね。
つまり、探そうとしている物品名の同義語、類義語や上位概念的な言い換えを考えてキーワードを決めるのね。
この同じ概念の言葉を意匠公報テキスト検索の「検索キーワード」の欄に記入します。
そのとき、各キーワードはスペースで区切るのよ。
響子ちゃん、やってみて。
(響子)は~い!
キーボードをぽちぽちぽちっと・・・、宮川先生~、検索項目はどうすればいいですか?
(宮川)今は「意匠に係る物品」の名称をキーワード検索しようとしてるでしょ。
意匠公報テキスト検索の画面では、まず上下2段にキーワードが入れられるようになっていて、検索項目は「意匠に係る物品」と「(現行)意匠分類・Dターム」となっているわね。この「(現行)意匠分類・Dターム」のところをクリックして、メニューの一番上の「意匠に係る物品」を選択します。
これで、上下2段とも「意匠に係る物品」になったわね。
(響子)では、上の段に「スマートフォン 携帯電話 携帯端末 スマートホン」って入力します。下の段に「ケース カバー」って入力します。
入力欄の右側に「検索方式」ってあるけど、これは「OR」のままでOKですね。
この状態で「検索」ボタンをクリック!
わ~っ!300件以上ヒットしました! 結構多くないですか?
(宮川)まあ、通常は100件以下に抑えたいけど、300件ぐらいならぱぱっと見ちゃった方が早いかもよ。それに、分類がわかればいいので全部見ることもないし。
(響子)わかりました。がんばります。
で、Jプラのトップページで見たときは、「H7-792」でしたよね。
ヒットした案件を順番に見ていくと・・・「H7-792」だけじゃなくて「H74390」もありました。
それと、「H2-2120」と「B4-18」っていうのもありました。
へ~、同じスマホケースなのに分類が複数ついているんですね。
でも、各登録意匠には1つの分類しかついていないんですね。
(宮川)あら、いいところに気がついたわね。
日本の意匠出願では、1出願に付き1つの意匠分類をつけるようにしているのよ。
でも、複数の人が分類をつけるから、同じスマホケースでも異なった分類が付与されることがあるわ。
だから、テキスト検索で1つの分類を見つけても、それだけで終わらずに他にないか探すことが重要ね。
さてと、今回見つかった意匠分類がどんな分類か確認してみましょう。
Jプラのトップページで、上の方の青いラインの「意匠」というところに、カーソルを合わせてみて、「8.分類リスト(特許庁HPへ)」っていうところをクリックしてみて。
「表1日本意匠分類表」と「表2日本意匠分類 分類定義カード一覧」があるでしょ。
念のため周りの分類を広く見たいときは「表1」を見てね。
ピンポイントでその分類を見たいときは「表2」を見てね。
(響子)わかりました。
では、「H7-792」を「表1」で見てみます。
H7-792 電子計算機等付属品 ·······携帯情報端末用スタンド,電子計算機用充電及び接続機
へ~、「H7-792」って、付属品の分類なんですね。
旧分類は「H5-900,H5-920」ってなってますね。
・・・旧分類って何ですか?
(宮川)意匠分類は2005年より前に出願されたものに旧分類がついていて、それ以降は新分類になっているのよ。
2005年って、今から10年前で、その頃の意匠権の存続期間が登録日から15年なので、旧分類の意匠権もまだ存続しているわね。だから、新分類だけでなく旧分類も見なきゃいけないわね。
(響子)「表2」も見てみましょう。
こっちの表2の方が具体例もあってわかりやすいですね。
この表で意匠分類を理解すれば調査もしやすいですね。
「H74390」と「H2-2120」と「B4-18」も見ちゃいますね。
う~ん、「H2-2120」は充電器なので、今回は関係ないかな~。
ということで、今回の意匠分類は「H7-792」と「H74390」と「B4-18」ですね。それぞれの旧分類もピックアップしま~す。
ところで、宮川先生。表1はH7を見たいのにH0から見なきゃ行けなくて大変だし、表2の方もH7-792を見たいのにH7から見なきゃいけないので、正直見にくいですね。
(宮川)そうね。ちょっと前の特許電子図書館(IPDL)のときは、直接見たいところにアクセスできたのに、Jプラになってからアクセスしにくくなったわね。この辺はINPITさんに改善してもらいたいわね。
(響子)(宮川)INPITさん、よろしくお願いします。
(響子)ふ~っ! 宮川先生~エネルギーが切れちゃいました~。
お茶しましょっ!
(宮川)響子ちゃん、何甘ったれてるの?
まあいいか。じゃあ、スクリーニングは次回ね。
ところで、最近本間先生が出てこないわね。次回からこのブログ「教えて宮川先生!」に替えちゃおうかな~。
2015.7.5第5回 意匠調査その3
(響子)今日は前回の続きで意匠調査の「プロの技」を宮川先生から伝授してもらいま~す。
(宮川)わかったわ。じゃあ始めるわね。響子ちゃん、「意匠調査に必要な情報」って何?
(響子)え~とっ、調査をしようとする物の形状と、・・・意匠分類です!
(宮川)正解!。 で、前回は意匠分類の検索をしようとして、Jプラの初期画面からキーワードで検索したのよね。うまくできた?
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage
(響子)・・・はい。何とか。(汗)
(宮川)Jプラの初期画面のいいところは、意匠に係る物品(物品の名称)と意匠に係る物品の説明の両方の項目を一度に検索できるところね。
でも、「キーワードを入れるエリアが1カ所」で、「OR」検索か、「AND」検索しかできないよね。
ちなみに、わかっているとは思うけど、「OR」検索と「AND」の違いはこんな感じよ。「OR」検索はスマートフォンとケースのどちらかが含まれていればヒットするし、「AND」検索はスマートフォンとケースのどちらも含まれているものがヒットするのね。
(響子)・・・それぐらいはわかってます~。(あ~、それで前回の検索では「OR」で1万件以上出て、「AND」検索で50件以下だったんだ~。)
(宮川)じゃあ、キーワードを入れるエリアが1カ所だと困ることって何かな?
(響子)・・・特に困らないと思いますけど・・・。
(宮川)じゃあ、スマートフォンって、もっと堅苦しく言うと何かな?
ヒントは漢字四文字よ。
(響子)漢字四文字か~。わかった、「須磨戸本」!
(宮川)・・・響子ちゃん・・・「夜露死苦(ヨロシク)」じゃないんだから~。「携帯電話」よ。
(響子)え~っ!。携帯電話って、ガラケーじゃないんですか?
(宮川)スマホって、携帯できる電話でしょ。だからスマホもガラケーも携帯電話なのよ。ちょっと難しく言うと、「携帯電話」って、スマートフォンの「上位概念」なのよ。
(響子)さっすが宮川先生! 弁理士だけあって難しい言葉知ってますね。
(宮川)お世辞なんて言ってもダメよ!
じゃあ、Jプラの初期画面で、携帯電話ケースとスマートフォンケースを探すときはどうすればいい?
携帯電話用ケース、スマートフォン用ケースっていうのも含まれていないとダメよ。
それと、本の場合はブックカバーなんて言うわね。スマホの場合もスマートフォンカバーなんていうかもしれないわよ。これらを検索するにはどうすればいい?
(響子)・・・困ります、困ります。初期画面だと難しいです。
(宮川)そうね。思いつくものを片っ端から「OR」検索すればできるけど、思いもよらない名称があったりすると漏れたりするわね。
だから、「意匠公報テキスト検索」を使うのよ!
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/ishou/iskt/ISKT_GM201_Top.action
この意匠公報テキスト検索では、検索項目を選べるし、キーワードを入れるエリアも複数にできるわ。
じゃあ、響子ちゃん、さっきのキーワードを意匠公報テキスト検索に入れて検索してみて。
(響子)はい。わかりました。・・・を入力してっと、「検索」ボタンをポチッ。一覧で見てみると・・・あっ!
(宮川)響子ちゃん、どうだった?
(響子)なんとっ! 前回では見なかったこんな分類が・・・・。
次号につづく!
次号では、意匠公報テキスト検索の入力例と、検索結果、それに調査すべき意匠分類について説明しちゃいま~す!
(宮川)勝手に締めないでっ!
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