2015.9.1第8回 意匠調査その5
(響子)今回は意匠公報テキスト検索で「スクリーニング」をしま~す。
「スクリーニング」って、辞書でみてみたら「ふるいわけ」って書いてあったんですけど、
検索式で抽出された母集団の公報を見て、いるものといらないものを分けるって言う意味ですよね。
(宮川)響子ちゃん、説明的なセリフどうも有り難う。響子ちゃんの言う通りよ。
じゃあ、前回(ブログ第6回)の続きで、以下の表の分類を見てみましょう。
(響子)では、Jプラの「日本意匠分類・Dターム検索」に意匠分類を入力しましょう。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/ishou/isdt/ISDT_GM201_Top.action
この「日本意匠分類・Dターム検索」画面の「検索式」に「H7-792」と入力します。検索ボタンをポチッ!。
宮川先生~!。「検索式」についてはフォーマットエラー。って赤文字が出ました~。
え~っ!なんで~???。
(宮川)う~ん。これってミステリーよね。
ここでの入力は、前のIPDLの時代からハイフンを除いて入力しなきゃいけないのよね~。ちょっとやってみて。
(響子)は~い。「H7792」って入力して、検索ボタンをポチッ!。
今度は出ました~!!
では、「一覧表」示ボタンをポチッ!。
すご~い!。スマホケースがいっぱい~!!。あっ、これかわい~!!。これもすてき!!。
(宮川)・・・響子ちゃん、ちゃんと調査対象のケースの形状を頭に入れてスクリーニングするのよ。
(響子)この形状ですね。大丈夫です!
こっちの分類も、それと旧分類も見て・・・。
あれ~? 検索結果一覧の画像がある時点から見にくいんですけど~。
(宮川)それはまだ電子化されていない時代の公報ね。紙の公報をイメージデータにしてデータベースに保存してあるの。その当時は通信環境もわるかったから、データ量を抑えるためにわりと粗い画像になっているのよ。
検索結果一覧で判断できないときは、ちゃんとその公報番号をクリックして内容を確認してね。
(響子)わかりました。
ところで、今見ている公報は昭和の時代の公報ですけど、平成生まれの私にとってはもう歴史上の文献ですね~。
(宮川)響子ちゃん。今回の意匠調査って、何が目的かわかってる?
(響子)意匠調査の目的ですか?
このスマホケースと似ている意匠公報があるかないか探すことですよね。
(宮川)ブログの第3回(意匠調査その1)で、「意匠調査も、特許調査と同様に、侵害予防調査、登録無効調査、先行意匠調査という種類があります。」と説明したでしょ。
今回は、何の調査?
(響子)・・・・・済みません、認識してませんでした。
(宮川)仮に侵害予防調査だったとして、昭和の文献って、見る意味ある?
(響子)え~っと、意匠権の存続期間って、20年だから~、20年以上前の文献は見る必要がなくて~と考えると・・・、見る意味ないですね。
ということは、「日本意匠分類・Dターム検索」の画面の下の方にある「検索オプション(範囲指定)」っていうところで、登録日の下限値に20年前の日にちを入力すればいいんですね。
(宮川)今は15年前の日にちを入れればOKよ。
意匠権の存続期間が20年になったのは、平成19(2007)年4月1日以降に出願されたものなので、それ以前に出願された意匠の意匠権は15年なのよ。
だから、15年以上見なきゃ行けなくなるのは平成34(2022)年4月以降よ。
(響子)は~い。了解です。
(宮川)ところで、登録無効調査や先行意匠調査の場合、特に15年に区切って調査をする必要はないし、区切っちゃうと調査漏れが出ちゃうわね。
でも、先行意匠調査の場合、調査依頼者(クライアント)の予算の関係もあるので、件数を調整するために範囲を区切ることはあるわね。
(響子)ところで宮川先生、スクリーニングをしていると、たまに似てるか似ていないか微妙なものが見つかるんですが、その場合どうすればいいですか?
(宮川)響子ちゃんは意匠の類否をきっちり判断できる?
できるんであれば、その場で判断して非類似のものはピックアップしなくてもいいわよ。
自信がないのであれば、ちょっとでも似ているかもしれないと思ったものはとりあえずピックアップしておいて、後で類否判断ができる人に判断してもらうといいわ。
(響子)意匠の類否判断か~。自信ないです。
(宮川)意地悪な質問をしてごめんね。
意匠の類否判断って、実は専門家でも難しいのよ。
ざっくり言うと、対比すべき2つの意匠があったら、よっぽどそっくりじゃない限りそれだけ見ても類否判断はできないわ。
それらの対比すべき意匠の先行意匠にどのような意匠があるか、その先行意匠と比較してどこが特徴的かを分析して、その上での判断になるわね。
だから、意匠調査のスクリーニングで肝心なのは「素人目に見て似てると思ったら迷わずピックアップ」することね。
(響子)「素人目」でいいんですね。
それなら私にもできます!
がんばります。
(宮川)ということで、意匠調査については、まずはこんなところですかね。
ね、最近ブログの更新もサボり気味の本間先生。
(本間)・・・はっはい。そうですね。
次回からまた特許調査についての記事や、事務所の近況などについてブログを更新したいと思います。
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