2016.7.19サーチャーへの道 その1『特許公報の読み方』
(響子)サチコ先生ー、本間先生にブログのネタもらいに行こうと思ったんですけど、
気配を察知されたのか、どこかに行っちゃいました~
※(注)最近の本間先生
(宮川)あらそう・・・じゃ、響子ちゃんも特許調査のお手伝いができるように、少しずつ勉強してみる?
(響子)はい!頑張ります!
(宮川)じゃ、早速始めましょう♪
ところで響子ちゃん、明細書は読んだことある?
(響子)えっ・・・はぁ、見たことはありますけど、なんだか難しくてとっつきにくい感じです。
(宮川)そうよね。まぁ、普通は給与明細書?って思っちゃうかもね。
特許明細書は発明の公開に使われたり、特許審査を受けるための出願書類、という重要な役割もあります。
発明を公開する書類にはいくつかあって、単に「公報」と呼ばれたりするわね。
響子ちゃん、公報には色んな種類があるって知ってる?
(響子)うーんと、「公開特許公報」と「特許公報」は見たことがあります!
(宮川)よく見ていたわね!公開特許公報は、特許出願の出願日から1年6か月で発行され、多くの場合は出願時点の内容が掲載される公報です。公開日が2000年以前は、「特開平10-XXXXX」、2000年以降は、「特開2002-XXXXX」の形式の公報番号が付与されます。
特許公報は、審査を経て特許登録された後、速やかに発行される公報です。通し番号で「特許第XXXXX号」という形式の特許番号が付されます。
あと、これ以外では、国際出願に関する公報があって、これはPCTと呼ばれる、国際条約に基づいて国際出願された発明を掲載するもので、次の3つの種類があります。
① 国際公開公報(出願日から1年6か月後に、日本語または外国語)
② 公表公報(出願日から2年6か月後に、日本語)
③ 再公表公報(出願日から2年6か月後に、日本語)
(響子)ひえ~ 色々あるんですね~
(宮川)大丈夫よ、呼び方は違うけど、いずれも出願中の発明を公開するものなので、公開特許公報と同列に考えてOKです。ただ、国際出願の場合は、公報の発行日と、使用される言語が違うのが特徴です。
じゃ、公報の表紙から見てみようか。
(響子)うっ・・・やっぱりアレルギーが・・・
(宮川)落ち着いて!番号順に見ていけば分かるわよ。
① 公報種類
② 登録番号/公開番号
③ 公報発行日
④ 登録日/公開日
⑤ 特許分類の記載
ここには、FタームやIPCといった、特許庁等が定める技術分類コードが記載されます。
これについてはまたレクチャーするわね。
このコードは、出願された発明の内容に基づいて付与されていて、
分類コードを使って特定の技術分野の出願や特許を検索することができます。
⑥ 出願番号・出願日/公開番号・公開日
一つの出願は、登録されるまでに、原則として出願番号、公開番号、登録番号の3つの番号を持つことになります。公報にはこれらが記載されています。
⑦ 分割出願の記載
その出願が別の出願から分割された出願である場合は、親出願の出願番号等が記載されます。
⑧ 優先権主張番号・優先日
その出願が別の出願に基づく優先権を主張している場合、基礎となる出願と優先日が記載されます。
優先日は出願日より前の日で、特許性判断の基準となる重要な日付なので、見落とさないように注意しましょう。
⑨ 特許権者/出願人
⑩ 発明者
⑪ 最終頁に続く
これは、発明者の名前など、表紙に書ききれなかった事項は最終ページに記載されることになります。
⑫ 発明の名称
その発明の名称が記載されます。ただ、「発明の名称」はかなり大まかな記載になっていることが多く、発明の具体的な内容が表されているわけではないので注意してね。
(響子)zzz・・・・ はっ! よ、よく分かりました!(汗)
ところで、この、かっこ書きの2桁の数字は何ですか?
(宮川)(ま、確かに、最初は読んでると眠くなってしまうのよね・・・)
これは、INIコードっていう書誌的事項識別のための国際合意番号で、各国の言語や法制にかかわらず、特許文献の書誌的事項を識別することを目的として設けられているのよ。
言葉が分からない外国の公報を読む時に、INIDコードをもとに発明者の情報などを確認できて便利です。
(響子)なるほど~ ふぅ~ 字が小さくて辛いけど、何とかついて行けました!
(宮川)字が小さいってアナタ・・・ま、苦手意識を克服できてよかったわね。
(響子)次回は簡単な特許調査のやり方を勉強したいと思いまーす。
本間先生、引き続きファイトでーす!
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