2017.1.27弁理士の引き出し
(響子) 本間先生~!
聞いて下さいよ~。
昨日、弁理士受験生のゼミの仲間と飲み会だったんですけど、
私が「意匠のわかる弁理士」になりたいって言ったら、
技術系の人に「意匠なんて形が権利になるんだろ?権利が狭くて使えないよ~。
特許は思想を保護できるから特許をとれば意匠なんて取る必要ないよ。」なんて言われたんです~!
なんか、悔しくて・・・、ちゃんと言い返せなかった自分にも腹が立って!
先生、こんなときはなんて言い返せばいいんですか~?
(本間) はっはっはっ。
技術系の人にありがちな考えだね~。
一般的にはその人が言うように、特許は技術的思想を保護するもので、意匠は物品の外形を保護するものだから、ちょっと考えると特許だけ取っておけば・・・なんて考えの人がいてもおかしくないよね。
(宮川) いるのよね~。その手の人。
特に特許一筋の人とか言いそ~。
でも、それって、自分には特許以外に引き出しが
ありませんって言っているようなものよ。
私たち弁理士は、ざっくり言えば、知財というツールを利用して、如何にクライアントのビジネスをマーケットで優位に立たせるか、そういう視点でお手伝いをする専門家だと思うの。
だったら、そのツール、いわば「引き出し」ね、それがいっぱい有った方がクライアントの役に立てると思わない?
(響子) そうですよねっ!
(宮川) 例えば、今はやりのロボット。これなんかは関節の制御とか、結構昔から特許出願がいっぱいされていて、先行技術がいっぱいあるの。
そんな中に特許だけで乗り込んでいってごらんなさい、先行技術のせいで広い権利がとれなくて、結局特許になっても狭~い権利になっちゃったりするよね。
それと、製品としてのロボットって、既に特許切れの技術だけでそこそこいいものができたりするでしょう?
そうなると、特許だけじゃ他社の類似品を押さえられなかったりするんだよね。
(響子) う~ん。ちょっと難しいけど、何となく宮川先生の言いたいことがわかります。
(宮川)こういうときには、意匠や商標を加えていろいろな面から他社の参入障壁をつくって、クライアントのビジネスの優位性を確保することを考えるべきよね。
具体的には・・・・
(響子) 具体的には・・・?
(宮川) 長くなりそうだから、また次回ね。
(響子) え~っ。そんな~。
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